スノウイーターまるきゅー、もしくは雪食うバカです。           エロゲ東方FPS、仄かに漂う厨二臭

SnowEater⑨

Sign:015 彼女と過ごす一日 | main | Sign:013 Fisherman's Blood
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Sign:014 そして彼は仮面を着ける



「行くぞペルセフォネ…」
「ええ、勿論よ」
 零は高波を見ながら、ペルセフォネを真上に跳ね上げた。
 刹那、拳銃の姿は弾け、部品の形を変えて再び結合する。その形はロケットランチャーと呼ばれるものに変化していた。
 零は躊躇せず、盛り上がった海面に向けてトリガーを引く。
 ロケット弾頭は全ての衝撃を後方に拡散させ、飛翔した。
 着弾を確認する前に零は再びペルセフォネを上に放った。
「次はライフルを」
 そして零の手元に落ちてくるころには、ペルセフォネの姿はスコープ付きのライフルに変化していた。
「………」
 零は海面に現れた巨人に向かうロケット弾に照準を合わせ、ロケット弾が着弾する前に撃ち抜いた。
 銃声、そして爆音。ロケット弾は『ダゴン』の眼前で飛散した。
 明らかに地球由来の生物のものではない冒涜的な叫びが放たれる。
「……死んではいないようだな」
「当たり前でしょ」
 零は続けて、爆煙に隠された『ダゴン』の影に向かって、ライフルを撃ち込んでいく。
 三発目は高波に阻まれ、零はペルセフォネを真上に投げて元の拳銃に戻し、その間に左手で自分の顔を覆った。するとまるで砂に溶けたものが逆再生されているかのように、零の顔を蒼白の仮面が覆う。
「零?」
 拳銃になったペルセフォネを零は左手で掴み、周りに迫った『深きものども』を撃ちながらも右手は空を切り裂くかのように眼前に迫った高波に振り下ろす。するとどうだろうか、右腕から発された真空波が高波を真っ二つに切り裂いた。
 黄色の外套を身に纏わず、自らの力で制御できるだけの黄衣の王の解放。零の右目は青く、黒く染まり凍てつくような冷めた殺気を放っていた。
「世界に、血の饗宴を……」



Sign:014 そして彼は仮面を着ける



 零はペルセフォネを腰に戻すと、軍刀を抜いて両手で正眼に構えた。
「参れ、愚物…我が退治てやろう。観客が少ないのは不興だが、貴様が慰めてくれるのだろう?」
 やがて煙が晴れる、あれだけの爆発、銃弾を受けても『ダゴン』はまだ生きていた。いや、生きていたどころか、悠々と波止場に向かってくる。
 零は軍刀の刃を左の人差し指と中指ではさんでなぞる。すると、刃が桜色の燐光に包まれた。
 ペルセフォネはこの刃を見たことがある、あの夢の中でニャルラトホテプとの戦闘で、ヒュプノスに放たれた桜色の竜撃だ。
「竜刃―――桜火、極葬」
 刹那、桜色の光が迸り、桜の花びらのような燐光を纏いながら竜の形を成して『ダゴン』に直撃する。
 桜の竜は拡散し、光の奔流を放って海を染めた。
 その光は周囲はおろか海中の『深きものども』をも巻き込んだだろう。
「やった、の?」
 ペルセフォネの声が響く。海に『ダゴン』の姿は無い。
「いや、やはりこの程度の解放では威力は落ちるというものだな。それに存外、奴もしぶといものだ」
 言い終えた直後、眼前から一気に『ダゴン』が現れ、流れるような速さで波止場に上陸した。
 桜の竜撃を防いだのか、両腕と触手はあらかた消し飛んでいる。
 『ダゴン』は零を見下ろし、零は仮面の奥の双眸から『ダゴン』を見上げた。その距離は10mも無い。
「もしや、と思ったが、この殺気。当初より狙いは我か……しかし、頭が高いな、怪物」
 零は軍刀で空を斬る。それに合わせて、眼前のダゴンの右足から横に血が走った。
 深く切れ目を入れられ、『ダゴン』は膝を折って倒れこんだ。『ダゴン』の目線が零と合う。
「……王の判決を言い渡す」
 零は端的に告げ、軍刀を振るった。
「汝は有罪、斬刑に処する」
 そして大木ほどもありそうな『ダゴン』の首が一閃によって落ちる。それが決着だった。





 真砂たちは漁港の入り口、軍用バギーの前でこれからの行動を決めかねていた。
「とりあえず、エンダージュ湖は安全だという話だったし、行ってみてもいいんじゃないでしょうか」
「まあ、とりあえず作戦を練らないことにはな…」
 そこから少しはなれたところで、マガリは海の方向を心配そうに眺めている。
 落ち着きなさそうにひょこひょこ動きながら見詰めていたが、やがて人影を見つけて叫んだ。
「あっ、零さーん!」
「え?」
 その言葉に真砂たちも反応して集まった。
 遠くから、ゆっくりと黒いコートの人物が近付いてくる。それは紛れも無く零の姿だった。
 四人は急いで駆け寄った。
「零さん!! 大丈夫ですか!?」
 マガリは驚いて零を抱きしめる。零の全身は赤く、血に塗れていた。
「マガリ……大丈夫、全部返り血だ」
 緊張が解けて、零は少し笑った。
「『ダゴン』はどうしました?」
「首を落としたから流石に復活はしないだろうな、もう安全だ」
「一人で、やったんですか?」
「…ああ」
 溜息を吐いて零は座り込んだ。マガリも離れてちょこんと隣に座り込む。
「そうですか、ご苦労様です…」
 色々尋ねたいこともあったが、零が疲れているようなので、真砂は言葉を切った。
「……私たちは見回りの時間なので帰りますが、町まで乗って行きますか?」
「いや、いい。またな」
「…はい、では失礼します。マガリさんも」
「さようならー」
 敬礼して、三人は軍用バギーに乗り込み、去っていった。
「はぁ…疲れたな」
「あは、あんな怪獣を倒しちゃうなんて零さんは本当にすごいです。…お疲れ様でした」
 いつの間にか夕日が空を朱に染めていた。あと半刻ほどで日は沈む、そうすればまた、海に近い隣人たちが現れるだろう。


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| 小説 | 22:56 | トラックバック:0コメント:0
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