スノウイーターまるきゅー、もしくは雪食うバカです。           エロゲ東方FPS、仄かに漂う厨二臭

SnowEater⑨

Sign:027 金剛不壊の心 | main | Sign:025 敵性なきもの
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Sign:026 霊廟



 バステトとは別れ、零は待機していた偵察部隊に囲まれて帰投した。
 一番最初に出迎えたのは当然のようにアンジェだった。遠目に見ていてからもわかるぐらいに目に涙を溜めていて、零は多少後悔の念を抱く。
「隊長、女の子を泣かせるのはどうかと思いますが?」
 なんて隣のエドガー老兵が笑う。
「俺も何とかしようとはしたんだがな、俺が無茶しないと結局アンジェが無茶をするだろうし……まったくままならん」
 零も苦笑すると、一瞬エドガーは真面目な顔で零の焼き潰された腕を見た。
「腕は本当に大丈夫なのですかな? 利き腕では無いと言っても退役が許されるレベルの重傷でしょうよ、それは」
「俺が退役してゆるりと暮らせる世界なら喜んで受け入れるがな、腕は如何ともし難いが―――まあ、どうにかなるだろう」
「意外と楽観していますな…」
「別に、無くても支障は無―――」



「―――ありますっ!!」
 零の言葉に、叫ぶように反応したのはアンジェだった。大粒の涙をぼろぼろと零し、零の前に立ちはだかる。
「…あ、アンジェ?」
 一瞬面食らって、零は様子を伺うように辺りを見回す。苦笑を浮かべるエドガー、顔を逸らすリーアン、その他隊員も気まずそうにしている。
「左腕、無かったら……大事な人を抱きしめられないんですよっ!?」
「…いや、特にそんな相手は居ないしな。 それに戦術面でもさして困らん」
「何を、っ馬鹿なっ!」
 アンジェまさかの叫び、後の罵倒。普段は大人しく、零の前では従順なアンジェのそのコンボには零も本気で驚き慄いた。
 零は仕方なく溜め息を吐いて、自分の本心を吐露した。
「……欠けた部分はお前が補え、アンジェ」
「へ?」
「その為に呼んだのだからな、当然だろう?」



Sign026 霊廟



「で、何故俺は神殿になんか連れて来られているんだ?」
 街の拠点へと帰還してから一時間弱、零は街の頂点にある神殿の最奥、岩山の中に隣接された霊廟の一室に零は寝かされていた。
「ここが、ウルタールの竜脈なんですよ。 私の能力が最大限に使える場所なんです」
「いや、まあ腕を直してくれるというのはありがたいがな…」
 というと、アンジェは薄い金色の髪を指に巻きつけえてくるくるしながら顔を逸らした。
「その、私としても零さんの左腕になれるのは嬉しいのですけど、でも無いと色々と困りますし…」
 頬を染めたりしているアンジェ、もう怒ってはいない様だ。それは零にとって喜ばしいことではあるし、大変可愛らしいのだが。
「…ちなみに俺は何で四肢を拘束されてるんだ?」
「え? そんな体でまた何処かに行かれたら困りますから」
 妙に威圧感のある笑顔を向けるアンジェ、やっぱりまだ怒っているようだった。
「では、始めますね…」
「む…ああ、ところであの同じく腕をやられていた衛生兵は大丈夫なのか?」
「えっと、鷺宮さんの事ですか。 彼女はもう問題ありませんよ、猫さん達が魔力を分けてくれたので、思いの外早く修復できました」
「ふむ…そういえば詳しくは聞いていなかったが、アンジェの能力はどういったものなんだ? 傷を癒すというのはわかるのだが…それにしても種類があるだろう、純粋な回復や再生、肉体を正常に保とうとする力の働きによるものか、ともすれば時間の逆行とか、な」
「んー、私は肉体能力特化型ですから、そんな魔法みたいなことはできませんよ?」
 ぽうっとアンジェの両手が黄緑色の燐光に包まれる。
「私は人の持つ治癒力を増幅させるだけ、だから治るかどうかはその人次第なんです、それに相手の力を引き出すわけですから相手のカロリーもかなり消費してしまうわけで、元から自分の体を治せるだけのエネルギーが無い人には使えないんですよ」
 その分、零さんはバイタリティが溢れてますから楽ですけど、とアンジェは付け足して両手を零の左腕に翳した。
「じゃあこれが終わったらガッツリ飯を食わないとってことか」
「そうですね、火傷は完治が大変ですから大量のカロリーを使います。 むしろ無事なところまで切断してから新たに生やした方が簡単なんですよ、とは言ってもそっちはそっちで数週間は再生箇所に違和感が生じますからまともに戦闘はできませんけどね」
「まあどっちでもいいさ、治るんなら儲けもんだ」
「零さんの言うように時間の逆行みたいなことが出来たら良かったんですけどね…」
「…それは困るな」
「え? でも一瞬で治せたら楽だと思いますけど」
「俺の背中を任せる為に呼んだのだ、後衛で衛生兵の真似事をされていては困る」
「えへ、まあそれならしょうがないですね。 零さんを治せるこの力だけで十分ですから」
「……ああ。 …ん?」
 ふと、零は足元に気配を感じた。しかし拘束されている状態では足元を見る事はできない。
「アンジェ? 俺の足元に何か居ないか?」
「バステト様がいらっしゃいますよ、実は手伝って頂いているんです」
 アンジェの言葉に零は辛うじて首を傾けると、そこには白い毛並みの猫が丸まっていた。
「む、先ほども助けられたばかりなのだが…」
「渡したいものがあるみたいで、待っている間に手伝って頂いてます」
「バステトの言っていることがわかるのか?」
 バステトは半獣人の時や他のウルタールの猫たちのように人語は発していないのだ。ただ丸まって毛づくろいをしているだけである。
「私に神託をなされた方ですから」
「そういえばそんなことを言っていたな」
 零が溜め息を吐いて、首を戻すと、大分左腕の感覚が戻ってきていることに気がついた。アリアドネの力でまだ痛覚は遮断されているようだが、焼失していたとは思えないくらいしっくりくる。
「あまり待たせるのも申し訳ないですし、ここからは全力以上でいきますよー!」
「……無茶はするなよ」


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| 小説 | 23:43 | トラックバック:0コメント:0
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